母乳の代替品として使用できる液体ミルク。海外で主流の液体ミルクは、2018年に日本国内での製造・販売が解禁されました。
液体ミルクはお湯で溶かす必要がなく、哺乳瓶に移し替えてそのまま授乳ができる便利な商品です。
どこにいてもすぐ授乳ができるので、赤ちゃんを連れての外出や旅行時に持ち運ぶのはもちろん、災害時に備えておきたい防災グッズとしても注目されています。
本記事では、そんな液体ミルクの開封後の取り扱い方法や、余った液体ミルクの活用レシピなどをご紹介します。液体ミルクの種類や保管方法なども解説するので、ぜひ参考にしてください。
開封後の液体ミルクの飲み残しは保存できる?
まずは、開封後の液体ミルクの取り扱いについて解説します。
開封後は保存できない
開封後の液体ミルクは保存ができません。なぜなら、液体ミルクは母乳に近づけるよう工夫がされているので栄養価が非常に高く、空気に触れると雑菌が急激に繁殖しやすいためです。
開封後の液体ミルクを赤ちゃんに飲ませると、健康面で問題が生じる可能性があります。とくに赤ちゃんが一度口をつけた液体ミルクは、唾液が入っている可能性が高いため、飲み切れなくて余っていても、破棄することが推奨されています。
また、液体ミルクを開封したものの赤ちゃんが直接口をつけていない場合でも、その日のうちになるべく早く使い切る必要があります。
開封後は2時間以内に飲み切る
赤ちゃんが口をつけていない液体ミルクが残っている場合は、開封後の2時間以内に飲み切るようにしましょう。
基本的には容器のまま保管せず、消毒済みの清潔な哺乳瓶に移し替え蓋をして室温で保管します。
2時間過ぎてしまった液体ミルクは、雑菌の繁殖が進んでいることが考えられるため、たくさん余っていても破棄することが望ましいでしょう。
開封後の液体ミルクの活用レシピ4選
液体ミルクは開封後2時間以内には飲み切る必要がありますが、赤ちゃんがなかなか飲まなかったり、大容量サイズが多めに余っていたり、消費が難しいこともあります。
そんな時に試してみたい、開封後の液体ミルクの活用レシピを紹介します。どれも簡単なレシピなので、ぜひ参考にしてください。
ミルクスープ
ミルクスープは、液体ミルクを簡単に大量消費できます。ミルクスープで本来使用する牛乳の分量を液体ミルクに変えるだけという手軽さも嬉しいポイントです。
作り方は、すりおろした大根や人参、つぶしたかぼちゃなど赤ちゃんが食べやすいように調整した野菜と液体ミルクを、弱火で温めたら完成です。
コンソメや味噌を入れて味を整えたり、具沢山にしてクリームシチューにしたり、大人向けにアレンジするのもおすすめです。
ミルクがゆ
ミルクがゆは、赤ちゃんの離乳食の進み具合にあわせた形のお粥に、液体ミルクを混ぜるだけです。
液体ミルクのほんのり甘い味と香りに、赤ちゃんもパクパク食べてくれるかもしれません。
ホットケーキ
いつものホットケーキの牛乳を液体ミルクに変えることで、液体ミルクの栄養たっぷりのホットケーキが作れます。
離乳食や幼児食用ホットケーキミックスを使えばさらに簡単に、またすりおろした人参やほうれん草などを加えて栄養を足すのもおすすめです。
フレンチトースト
赤ちゃんのおやつや朝食にぴったりなフレンチトーストも、液体ミルクを使用して簡単に作れます。
まずはボウルに卵を入れて混ぜます。液体ミルクを加えてかき混ぜ、好きなサイズに切った食パンにそちらの液体をしっかりと浸します。そして、バターを溶かしたフライパンで両面こんがり焼いたら完成です。
メープルシロップや砂糖を加えて甘みを足せば、大人も美味しく食べられます。
液体ミルクの種類一覧
2022年現在、日本国内で販売されている液体ミルクは全4種類です。それぞれの特徴を紹介します。
アイクレオ(グリコ)
江崎グリコの「アイクレオ」は味や香り、色など母乳への近さが特徴です。通常、液体ミルクは加熱殺菌をすることにより液色が茶色くなりますが「アイクレオ」は高温で短時間と余計な熱を与えないことで、母乳に近い白さを実現しました。
味も母乳に近づくよう、母乳と同じくらいの乳糖であっさりした味となっています。パッケージは6層構造の紙パックで、125ml入りと持ち運びしやすいサイズです。
ほほえみらくらくミルク(明治)
明治の乳児用ミルク「ほほえみ」シリーズには、バラエティ豊かな商品が揃っています。
そのなかでも「らくらくミルク」は、哺乳瓶に注いでそのまま飲ませることができる液体ミルクです。
スチール缶を使用しているため、外部からの衝撃に対応する耐久性の高さや、優れた密封性と遮光性により長期保存できる点が特徴です。とくに災害用のストックとして選ばれています。
内容量は1缶240mlとたっぷりサイズなので、たくさんミルクを飲む赤ちゃんにもおすすめです。
すこやかM1(雪印)
雪印ビーンスタークの「すこやかM1」は、災害用の備えとしても使いやすい缶タイプです。
同社の粉ミルクと同じく、母乳に含まれている成分を配合しているので、赤ちゃんも抵抗なく飲んでくれるかもしれません。1缶200mlと、飲みきりやすいサイズ感も魅力です。
はぐくみ(森永)
森永乳業「はぐくみ」の液体ミルクは、1袋100mlが5袋入ったパウチタイプです。
薄型のパウチはバッグの中でもかさばらないため、荷物が多くなりがちな赤ちゃんとの外出に最適です。使用後は小さく丸めて捨てられるので、旅行の時にも活躍するでしょう。
液体ミルクの保管方法
育児の負担を軽減させることはもちろん、防災用としてもストックしておきたい液体ミルク。赤ちゃんに安心して液体ミルクを飲ませられるよう、正しい保管方法をおさえておきましょう。
常温で保存
液体ミルクは、常温での保存が基本です。高温多湿を避けて適切な温度で保管することで、品質を保ちやすくなります。
20℃前後が最適
液体ミルクを常温で保管する場合、温度は20℃前後が適しているといわれています。20℃を極端に超えない環境で適切に保管しましょう。
直射日光は避けて、日陰で
液体ミルクの保管場所は、直射日光の当たらない日陰が望ましいです。火の近くや夏場の車内なども避ける必要があります。
液体ミルクの保管期間
液体ミルクをストックとして購入する場合、保管期間にも注意が必要です。いざ使う時に慌てないよう、事前に理解しておきましょう。
1年〜18ヶ月
未開封の液体ミルクの保管期間は、1年〜18ヶ月ほどです。液体ミルクは2018年の発売当初から長期保管ができるとして注目されていましたが、現在は賞味期限が18ヶ月とさらに長くなり、非常時のストックとしてますます使いやすくなりました。
メーカーによって違うので買うときは慎重に
液体ミルクの保管期間は1年〜18ヶ月が目安となりますが、メーカーによって保管期間は異なるため注意が必要です。
せっかく買ったものの必要な時に使えないなんてことにならないよう、よく確認したうえで購入しましょう。
まとめ
子育てサポートにも、防災グッズとしても便利な液体ミルク。
液体ミルクは、赤ちゃんが美味しく飲めるように、また大人が使いやすいように、それぞれのメーカーでさまざまな工夫がされています。
液体ミルクのメリットを十分に感じられるよう、開封後の取り扱いについて知っておくと安心です。
また、実際に液体ミルクを使用する際は、メーカーの推奨する保管方法や期間、使用方法などをしっかり守り、赤ちゃんが安心して飲めるようにしましょう。